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別居期間8年余の有責配偶者からの離婚請求-別居期間が短いとし請求を認めなかった事例-

★事案
平成元年 最高裁

太郎(大正15年5月生)と花子(昭和3年1月生)は昭和27.28年ころから同棲し、昭和30年4月に婚姻届をだした。
昭和30年3月に長女、昭和33年12月に次女、昭和39年9月に長男、昭和41年11月に次男が生まれた。昭和44年ころ太郎は、自宅近くにアパートを借り寝泊りをするようになるが、昭和49年ころには家族の元へ戻った。
太郎は、昭和51年ごろから明子と関係をもち、昭和53年には明子の家で生活するようになり、昭和56年以降は明子と実質的には同棲関係となっていた。
太郎は花子に対して離婚請求訴訟を提起した。


★判決
■一審
一審は太郎と花子の婚姻関係は昭和57年2月ごろには完全に破綻し、その原因は太郎花子双方にあるとして、太郎の離婚請求を認めた

■控訴審
控訴審は婚姻破綻の責任は太郎にあるとして、有責配偶者である太郎の請求を棄却した

■上告審
上告審は下記のように述べ、上告を棄却した。
「太郎と花子の婚姻については民法770条1項5号所定の事由があり、太郎は有責配偶者であるというべきだが、太郎と花子との別居期間は、原審の口頭弁論終結時まで8年余りであり、双方の年齢や同居期間を考慮すると、別居期間が相当の長期間に及んでいるとはいえないので、本訴請求は有責配偶者からの請求としては、棄却すべきものである」

■参考
有責配偶者からの離婚請求を認める3要因
① (双方の年齢や同居期間を考慮した上で)夫婦の別居が長期間に及んでいること
② 夫婦間に未成熟な子供がいないこと
③ 離婚により妻が精神的・社会的・経済的に過酷な状態におかれるようなことがないこと


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