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夫の定年後の妻の離婚請求 請求を棄却した事例

★事案
平成13年 東京高裁

花子と太郎と、昭和35年6月に婚姻し、長女と長男をもうけた。
太郎は仕事熱心で、家庭内では無口であった。花子は専業主婦で、病気がちで昭和61年には胃がんの手術を受け、その後体力が低下し、家事を十分にしなくなった。平成4年1月に長男が結婚、独立し、平成4年6月ごろから、花子と太郎は別の部屋で就寝し、食事も別に取るようになった。
太郎は平成7年4月に会社を定年退職し、年金生活に入った。花子は、左股関節臼盤手術をして平成8年8月に退院したが、そのころから花子は太郎を会話しなくなり、花子は2階で、太郎は1階で生活するようになった。
花子は平成9年6月に離婚調停申し立てをし、長女とともに、平成9年10月に自宅をでて、以後長女とともにアパートで生活している。
平成9年11月に花子は太郎に対して、民法770条第1項5号に基づき離婚を求め、[ズО崋嬶1000万円、∈盪妻与として、6201万円もしくは2922万円及び太郎の死亡時まで毎月21万円、財産分与として自宅土地建物の太郎の持分2分の1の分与とその移転登記、ぜ宅建物からの退去および明渡を請求した。

★判決
一審
一審は、7年の家庭内別居、花子が家を出てから2年近くが経過していることから、婚姻を継続しがたい事由があるとして、花子の離婚請求を認め、[ズО崋嬶舛箸靴200万円、∪胸仕財産分与として太郎の財産の5分の2相当にあたる自宅土地建物の太郎持分の各2分の1および1694万円の分与、I淪榲財産分与として、今後太郎が受領する年金の花子受領額との差額の4割相当額として、太郎死亡時まで毎月16万円の支払いを命じた。

控訴審
控訴審は、以下のように述べ、一審判決を取り消し、花子の離婚請求を棄却した。
「花子と太郎の長年にわたる婚姻生活に関する事情を見ても、太郎には花子の立場を思いやる心遣いに欠ける面があったことは否定できないものの、格別に婚姻関係を破綻させるような行為があったわけではない。花子と太郎は現在別居状態にあるものの、これは花子が長女とともに自宅を出たために生じたものであり、花子が一方的に太郎との同居生活を拒否しているというべきである。
--(中略)--
太郎は、花子と太郎の年齢や花子の身体的条件等をも考慮すると、離婚は避けるべきであるとして、婚姻関係の継続を望んでいる。
--(中略)--
以上のことを総合的に考え、花子と太郎が平成9年10月以降別居状態にあり、花子の離婚の意思が強いことを考慮しても、現段階で花子と太郎の婚姻関係が完全に破綻しているとまで認めるのは相当でないというべきである」

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