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離婚訴訟における親権者の指定 低年齢の子でも親権者を父親に指定した事例

★事案
昭和56年 東京高裁

太郎と花子には、昭和44年8月に長男一郎が、昭和48年4月には次男二郎が生まれた。
昭和51年ごろから夫婦仲が悪化し、昭和52年2月に花子は、長男一郎と次男二郎を残したまま、家を出たが、同年11月には戻った。
しかし、その後昭和53年8月に花子は離婚調停を申し立て実家へと帰った。

その際に、2人の子に花子についていくかどうかをたずねたところ、長男一郎は花子についていくことを希望し、次男二郎は太郎の元へ残ることを希望したので、花子は長男一郎のみを連れて実家へと帰り、以来、太郎が次男二郎を、花子が長男一郎を養育してきた。
太郎は、次男二郎を2人暮らしで、安定した職をもち、次男二郎は昭和55年春に小学校に入学。太郎の家の近くには太郎の姉が暮らしており、この姉も二郎の面倒をみている。
そんな状況で、太郎は花子に対して離婚等を求める訴訟を起こした。

★判決
一審では、長男一郎、次男二郎の親権者は花子であるとした。
太郎は、一審判決に対して不服申したてをした。

控訴審では
「太郎と花子は完全に別居し、それぞれ、子を1人ずつ養育していくという生活が2年6ヶ月も続いている。離婚に際して子の親権者を指定する場合、低年齢の子の場合は、一般的には母親に委ねることが少なくないし、さらに、太郎の環境が花子の環境に比べて弱い部分もあることは否めないが、この状況の中で太郎が、次男二郎と過ごしてきた期間も長く、二郎も太郎になついているし、長男についても、次男についても、現在の環境、監護状況が、それぞれにとって悪影響を及ぼすこと認められないことを考えると、現状において監護状態を変更することは適当でないと考えられるから、長男一郎の親権者は花子、次男二郎の親権者は太郎とすることが相当である。

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