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性的交渉拒否につき慰謝料の支払を命じた事例

★事案
岡山地裁津山支部平成3年3月29日判決

夫31歳と妻27歳はともに再婚同士で昭和62年(1987年)9月に婚姻したが、妻は異性に触られると気持ちが悪いと言い、婚姻当初から別居に至るまで性交渉を拒否し続けていた。そのため、喧嘩が絶えず、夫婦生活が破綻してしまっていた。
妻は、精神的な面で男性との性交渉に耐えられないと医者から診断されている。
前夫との婚姻の時も性交渉を拒否しており、慰謝料100万円を支払って別れていた。
翌年6月、夫と妻は協議離婚をし、夫は妻に対して慰謝料の請求をした。

★判決
夫・妻間の婚姻は、前記検討の結果からすると、結局妻の男性との性交渉に耐えられない性質から来る夫との性交渉拒否により両者の融和を欠いて破綻するに至ったものと認められるが、そもそも婚姻は一般に子孫の育成を重要な目的としてなされるものであること常識であって、夫婦間の性交渉もその意味では通常伴なうべき婚姻の営みであり、当事者がこれに期待する感情を抱くのも極当たり前の自然の発露である。
しかるに、妻は夫と婚姻しながら性交渉を全然拒否し続け、あまつさえ前記のような言動・行動に及ぶなどして婚姻を破綻せしめたのであるから、夫に対し、不法行為責任に基づき、よって被られた精神的苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである。
しかして、夫に認められるべき慰謝料額は、本件に顕れた一切の事情を総合勘案し、金150万円が相当である。

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